西日本の住む50歳代の女性が、マダニが媒介するウィルスで、去年死亡していたことが分かった。ショックだったのは、女性はマダニに直接噛まれたのではなく、原因は感染した野良猫に噛まれたことにあった。
ネコからの感染判明は世界初
死亡した女性が感染したSFTS(重症熱性血小板減少症候群)は血小板が減少して血液が固まり難くなるものだが、症状としては発熱、全身の倦怠感、消化器の異常などだ。国立感染症研究所によると国内で初めてSFTSの感染が確認された2011年で、今年6月までの間に266人の発症例があり、およそ2割の57人が亡くなっている。いずれもウィルスを持ったマダニに噛まれたのが原因とみられ、感染したネコが媒介となったケースは今回が世界で初めての例だ。
ネコからの感染を防ぐには、家の中だけで飼われているネコは、感染リスクは少ないが、口移しで餌を与えたり、一緒の布団で休むのはNGだ。ネコもSFTSに感染すると、人間と同じような症状が出る。発熱や食欲がなくなり、獣医師の診断で他の原因が見つからない場合はSFTSが疑われる。ネコの汚物や血液への接触も感染の原因となる。
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ヒアリより怖いマダニ
マダニが活性化するのは春から秋にかけてだ。感染を防ぐためにマダニに噛まれないことが重要だ。森や藪へ入る場合は極力肌の露出を少なくして、戻ったら、入浴するなどしてマダニが付いていないかしっかりチェックする必要がある。記者もダニに噛まれた経験がある(マダニではなかったようだ)。肌にとりついていたダニは血液を吸って大きく膨れ上がっていた。どんどん皮膚の中に入り込んで行くらしい。取ろうとすると、頭だけが残ってしまうのでうかつにとってはいけないと言われ、皮膚科で除去してもらった。
ダニに噛まれて脳炎を発症するケースもある。ロシアの人達は森へ行ってのレクレーションが大好きだが、ダニによる脳炎を心配して、ダニの活動が活発な夏の間は森へ入るのを控える人が多い。ちなみに人から人への感染は無い。
参考:厚生労働省HP
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