土用の丑の日、今年は7月25日と8月6日、今年は稚魚が豊漁で、価格も昨年より下がった。特に25日は給料日に当たっただけに、沢山のウナギが日本人のお腹に収まったようだ。
夏のスタミナ維持、美容への効果絶大
土用の丑の日は、知られている通り、江戸きっての発明家、平賀源内のキャッチコピーによるものだが、夏のスタミナ料理としての起源は古く、万葉集で、大伴家持が、吉田石麻呂なる人物に夏バテ解消にウナギを勧める歌がある。
タンパク質が豊富で、ビタミンA、B1,B2、Eの含有に富んでいて、疲労回復はもちろん美容への効果も絶大だ。
依然として絶滅危惧種
ウナギは養殖とはいえ、稚魚であるシラスウナギは沿岸で獲られるもので、資源は天然のウナギに依存している。それだけにシラスウナギが豊漁で昨年より価格が下がったとはいえ、依然として世界の絶滅危惧種であることに変わりはない。日本はウナギにとって世界の大消費国で、一時、世界のウナギの7割を日本人が食べていた。
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ウナギには「毒」がある
あまり知られていないが、ウナギには「イクチオヘモトキシン」というタンパク系の毒がある。この毒はウナギの血液中にあって、厚労省によると、ウナギの血を多量に飲むと、「下痢やおう吐、発疹、不整脈などの症状がでて、場合によっては死亡することもある」とされている。ただしこの毒は熱に弱く、かば焼きなど、加熱したウナギはもちろん無毒だ。
食べるまでもなく、ウナギの毒は触れることの方が危ない。血液だけではなく、周りのヌルヌルも毒性を持ち、素手で触ると、炎症を起こす。素手では絶対に触らないように。ウナギのつかみ取りなどで、触れてしまった場合は十分手を洗う事。また傷口から入り込むと化膿して重症化する。
ウナギの刺身が見られないのはこのためだ。しかし静岡県のメーカーが安全なウナギの刺身を供していて、ネット販売も行っている。