「時差ビズ」とは、大都市というより首都圏ならではの、通勤地獄解消手立て。クールビズと時差出勤を掛け合わせて「時差ビズ」、ラッシュの時間帯を避けて快適通勤を実現しようという試みだ。
2020には解消したい“痛勤電車”
小池知事は昨年夏の知事選で、満員電車の混雑緩和を公約に上げている。「時差ビズ」はその名の通り、それぞれの職場で出勤時間をずらして出勤環境を少しでも良くしようというもの。今回のキャンペーンには鹿島建設やJAL,それにみずほ銀行などおよそ260社が参加している。時差ビズのタイプは企業それぞれで、時差出勤だけでなく、朝型勤務や、個々で出社時間を定めるフレックス、それにそもそも働き場所に囚われないテレワークなど様々だが、働き方が多様化している現在、今回の試行にはどの職場も比較的スムーズに入っているようだ。
鉄道やバスなど運ぶ側にとっても、輸送の分散化は願っても無いことで、早朝時間帯のダイヤを増やすなどの協力体制を敷いている。JRは一部の線で、午前7時までに駅関連の店舗で、ICを使った買い物にはポイントを付与するキャンペーンまで付け加えた。
東京都としては、2020東京オリンピック・パラリンピックの際には、世界に名だたるTOKYOの通勤地獄を解消したい計画だ。
雑学ライブラリー
しり押部隊
JR以前、国電が「酷電」といれた時代、ラッシュ時の混雑駅ホームには学生アルバイトのホーム要員が沢山いた。全員駅員と同じ制服に“学生班”と書いた腕章を付けて、電車の扉位置毎に1~2人配置され、乗客の背中を押して、とにかく車両に押し込む役目だった。乗客の男女を構わず、背中やお尻をひたすら押すのだから、今ならセクハラとクレームを受けそうな作業だった。当時、乗車率250%にもなる区間は多く、ぎゅうぎゅう詰めなので、カバンを持っている手を離してもカバンが下に落ちる心配はなかった。
今は以前ほどの殺人的ラッシュは少なくなったとはいえ、200%にもなる混雑は解消されていない。乗りたくない区間ベスト3は以下の通り。
- 東京メトロ東西線(木場~門前仲町)混雑率200%
- JR総武線(錦糸町~両国) 混雑率199%
- JR京浜東北線(上野~御徒町) 混雑率197%
H26年、首都圏主要区間の混雑度(国土交通省)