街の治安を預かる日本の交番システムが世界に広がっているのは知られているが、先に眞子さまが訪問され話題となったブータンでも、JICAの協力で交番制度が拡大している。
交番で犯罪を未然に防ぐ
ブータンは幸福度の高い国を目指しているだけに、犯罪の発生率は大変少ないが、急速な社会発展とともに都市部での犯罪は増えている。ブータンの統計局によると2008年に436件だった窃盗は2013年には786件へ、強盗事件は310件から486件へと増加している。犯罪の手口も巧妙化して、これまでのブータンの警察力では対応できなくなってきている。そこでJICA(国際協力機構)が首都ティンプーでの交番システムの構築やパトロールカーの供与などに協力している。
設置された交番はコミュニティー・ポリス・センターとして地区ごとに6か所配置された。この交番を核に、コミュニティーぐるみで犯罪の発生を抑えていこうという計画だ。
日本の交番制度はこのほか、アメリカやブラジル、シンガポール、中国などにも広がっていて、英語圏ではPB(Police Box)が交番を指すが、KOHBANで通じる国や地域もある。
雑学ライブラリー
歓楽街はマンモス交番
他の国の人にとって警察官は、街の治安を守るのが役目であって、日本のように道案内をしてくれたり、落とし物の相談に応じるなど、身近な存在であることに驚かれることもあるようだ。2016年4月現在全国で、交番は6248か所、駐在所は6431か所設けられている(警察白書)パトロールで誰もいない交番に出くわすこともあるが、最近はOBさんによる交番相談員がお巡りさんに代わって対応するケースもあり、全国で約6300名の相談員が勤務している。
“警察24時”しばしば登場する札幌・すすきの交番は、交番とはいえ40人以上の警察官を擁するマンモス交番だ。この他、歓楽街を地域に持つ交番、新宿・歌舞伎町交番や福岡・中洲交番なども大所帯だ。いずれもFacebookがある。