飛行機内での携帯電話はもちろん、インターネットの接続も不可能だったのはもう以前の話。Wi-Fiを使ってのネット接続は、メジャーなエアラインでは当たり前となりつつある。いずれも使用料金がかかるのが難点だったが、JALが国内線での接続無料を打ち出した。
機内のFree Wi-Fiは常識となるのか
JALはこれまで国内線、国際線とも機内Wi-Fiは有料で、国内線はキャンペーンで無料を謳ってきた。それが今月20日、国内線はこの先も“ずっと無料”を宣言して、機内でのネット接続は、国際線は有料が続くものの国内線は無料とした。
機内Wi-Fiは世界のエアラインに広がりつつある。アメリカでも多くのエアラインが取り組んでいるが、国内線でも無料にしている航空会社はキャンペーンなど特別な場合を除いては見当たらない。
日本での機内Wi-Fiは、JALとANAのフルサービス・キャリア2社が提供しているのみだ。以前スカイマークが大型のエアバス330を導入した際、無料のWi-Fi提供に踏み切ったが、破たんと同時に330はリースバックされてしまい同社の機内Wi-Fiは消えてしまった。その他のエアラインは今のところ設置は考えていないようだ。
ANAは国内線でのWi-Fi接続は40分で550円、全区間で使うと1050円が課金される。しかし今回JALが無料に踏み切ったことでANAも追随するか、注目される。
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屋根の上の逆さタライがWi-Fiアンテナ
JAL国内線のWi-Fi装備機はボーイング777-300、777-200、767-300、それに737-800の各機種。良く見ると屋根の中央付近にタライを伏せたようなでっぱりが見られる。ここに入っているアンテナが可動して、常にリンクする衛星を捕える。飛行機は高速で動くので、追尾するためには通信衛星との角度や位置など都度修正が必要なのだ。また通信衛星だけではなく、地上のアンテナを捕えるために下部にアンテナを備えるケースもある。屋根上に設置するレーダードームは、空気抵抗が増加するので、なるべくフラットな方が望ましい。このように衛星接続のためのコストだけでなく、設置のためのコスト、それに抵抗増のための運航コストへの跳ね返りもある。エアラインが一気に無料化に踏み切れない事情がここにある。