上野が沸いている。リーリーとシンシンの間に待望の赤ちゃんが誕生した。2012年の出産のときにも上野周辺は、商店街や飲食店がパンダで景気を盛り上げようと力を入れたが、わずか一週間でベビーは死亡、落胆が広がった。それだけに今回の誕生で地元はお祝いムード一色、人出が増えることを見込んで、上野に店舗を構えるデパートや飲食チェーンの株価に影響が出ているという。
ペアリング、雌は徹底より好み
和歌山県白浜の“和歌山アドベンチャーワールド”パンダの繁殖では、中国以外ではトップの12頭が生まれている。アドベンチャーワールドによると普通パンダの発情期は1年に1度、3月~5月の春先(秋のケースもある)、わずか2週間ほどだ。しかもメスが妊娠できるタイミングは1~3日とたいへん短い。飼育員が雌の状態をしっかり観察して、ペアリングのタイミングを計る。しかしパンダは人間同様に相性がポイントで、かなり選り好みが激しいらしい。リーリーとシンシンは既に2度目なので、相性はぴったりのようだ。
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子どもの生存、生後1~2週間が決め手
現在野生のジャイアントパンダはおよそ1,600頭で、絶滅の危機にある。それだけに動物園など飼育されているパンダの繁殖はとても重要だ。新生児パンダの死亡リスクが最も高いのが生後1~2週間と言われている。何しろ生まれたばかりのパンダは150グラム前後だ。母親の1000分の1ほどで、親子の重量差が過大なのはパンダとカンガルーくらいだ。子馬などは生後すぐに立ち上がったりできるが、パンダの子供は生まれて2か月ほどは目が見えないため、自分で動くことが出来ない。母親に守ってもらわなければならないのだが、あまりに小さいので誤って母親の下敷きとなって死亡することすらある。比較的自由に歩き回れるようになる150日前後までは、特に目が離せない。
(参考:東京都資料、NATIONAL GEOGRAPHIC)