クレジットカードと電子マネーの中間を行く、デビットカードでの支払いが増えている。日銀のレポートによるとデビットカードによる決済は2016年はおよそ9000億円と3年前より3000億円近くも伸びた。
実は皆も持っているデビットカード
デビットカードは支払いの際に、お店で暗証番号を打ち込むことで預金から瞬時に決済が行なわれる。従って預金額を超えての支払いは出来ない。他の海外諸国に比べ日本はデビットカードの伸びは緩慢だ。信用取引となるクレジットカードは海外諸国の発行審査は厳しい。いきおい審査の必要がないデビットカードの方が普及する。
日本では1999年に発行が始まったJデビットと、VISA,JCB,銀聯のカード会社のネットワークを使ったブランドデビットの2種類がある。Jデビットは発行金融機関は1077と多く、キャッシュカードがそのままデビットカードとなっているので、多くの人は気が付いていないが、デビットカード・ホルダーなのだ。しかし最近の伸びをけん引しているのはブランドデビットだ。Jデビットは専用端末を持つ店でしか使えないが、ブランドデビットは、カード会社のネットワークが使えるので一気に広がった。また海外のATMが使えるのもブランドデビットの強みだ。一方のJデビットも新たなサービスで対抗する。お店のレジ端末で現金が出せるキャッシュアウトサービスで、来年4月にスタートする。(小欄4月10日記事参照)
日本ではキャッシュレスでの決済手段はクレジットカードが70% 電子マネー26%で、デビットカードはまだ4%余りに過ぎないが、預金以上の支払いは出来ないため、使い過ぎの心配がないことと、支払先がデータとして残るため財布の管理も容易で、今後伸びそうだ。
消えゆくのかコイン
紙幣は音がしないが、電子マネー決済の擬音に象徴されるよう硬貨は音を生む。
硬貨は物々交換の仲立ちとして生まれたと聞くが、近い将来、コインはビットコインなどに名を残すだけで、実物のコインを観ることの無い世界がやってきそうだ。