連休最終日の7日、日本列島は北海道から九州まで広い範囲で黄砂に覆われた。
視界不良、交通機関に影響も
正午までの観測では、北は稚内から、南は鹿児島まで、気象台のある全国55地点のうち、44もの地点で黄砂が確認されている。特に低気圧が近づいている北日本では風が強く、所によっては黄砂で視界が5キロ前後まで落ちたところがあり、車の運転に支障がでた。時折突風が吹いた札幌でも黄砂とともに地表の砂などが舞い上がったのか、山並みがかすむような光景となった。黄砂は8日も西日本を中心に各地で続く見込みで、洗濯ものの外干しは注意が必要。
黄砂にもメリットはあった!!
日本でも、洗濯物や車の汚れはもちろん、時には目を傷めるなど健康被害にまでつながる黄砂は厄介者の筆頭だ。生まれはタクラマカン砂漠やゴビ砂漠などだが、より源に近いモンゴルや中国の一部などでは時には農業被害もある。この様に発生源に近い所では落ちて来るのは砂の粒子でも重いものだが、8000㎞も離れた日本へ飛来するのは一層細かい粒子だ。それでも年間100万~400万トンにもなる。粒子は鉱物資源なので、リンやミネラルなど栄養素も含んでいる。そのため土壌に栄養素が降り注ぐのだ。また海に落ちるとプランクトンを増やすなど、土壌同様、海に栄養を与えている。
更に意外だったのは黄砂のナノサイズの粒子が、窒素酸化物など大気中の有害物質を吸着し、大気のフィルターの役目を果たしている点だ。また酸性雨や酸性霧などを中和する機能も併せ持つ。
洗濯物への汚染など、身近な生活の場面ではデメリットばかりが強調されるが、このようなメリットもあって、単純な厄介者だけではなさそうだ。
、