JR東日本の豪華クルーズトレイン「四季島(しきしま)」が1日、営業運転を始めた。豪華の上にスーパーが付く列車は、最高級の部屋には檜風呂までついている。その昔、東京と九州を結ぶブルートレインがデビューした時は「動くホテル」と形容されたが、こちらは「動く別荘」だ。
きっぷはプラチナチケット
あまりの豪華さと、その高額なツアー料金にひっくり返る。何しろ10両編成の列車に乗客はわずか34人。両端の車両が展望車、編成中ほどにパブリックスペースとしてのラウンジカーとダイニングカー、残りの6両が全室スィートの客室だ。居住スペースだけ見ても、単純に一車両6人に満たない余裕ぶりだ。
デビュー・ツアーは上野駅を出発、日光、翌日は函館から洞爺、登別と北海道南部を周り、さらに青函トンネルを戻って東北を日本海に沿って南下、3泊4日で上野へ戻って来る。檜風呂の付いた四季島スィートは1名95万円だが、ファーストツアーは76倍の人気ぶりだったとのこと。更に来年3月までの運行は全て完売、プラチナチケットと化している。クルーズトレインは来月JR西日本でもデビューする。
列車、飛行機豪華さはどこまでも
エアラインもファーストやビジネスなどは豪華さを競って、乗客一人当たりの専有面積は、これら優等クラスとエコノミーではどんどん差が広がっている。総二階建てのエアバス380のようにスペースに余裕のある機体では特に顕著で、リッチな中東のエアラインでは、なんとシャワールームを含め、3部屋ものスペースを使った“レジデンス・クラス”(アラブ首長国連邦のエティハド航空)まで現れている。
究極のサービスだが、もちろんそれなりの価格で、アブダビ~ロンドン片道2万ドル(およそ220万円)筆者のように鉄道や飛行機などによる移動が、旅の最大の楽しみとしている者にとっては、高級旅館や高級ホテルがレールの上を走ったり空を飛んでいたりするようで、いささか落ち着かない気分になりそうだ。もちろん乗ってみたいが・・。