半島情勢が緊張する中、もし北朝鮮の弾道ミサイル発射が現実のものとなったらどのように対応したらよいのか。政府は、内閣官房国民保護ポータルサイトで、いざという時の身を守る行動を示している。まさか戦時のような訓練が現実のものとなろうとは・・。
地下や頑丈な建物に避難
北朝鮮のミサイルが発射された場合、Jアラート(24時間全国瞬時警報システム)を使った警報が、地区の防災行政無線や携帯電話のエリアアラートに載せて発せられる。特に日本の領土、領海に落下することが予想される場合は、以下の様なメールが配信される。「直ちに避難、直ちに避難。屋内に避難してください。ミサイルの一部が落下する可能性があります。屋内に避難してください」さらに着弾エリアではミサイル落下情報が伝えられる。ミサイルは大きな破壊力を持っていることが考えられるが、Jアラートが発せられたら、爆風や飛散する破片から身を守るため、直ちに地下街や、ビルなどの頑丈な建物の中に避難し、なるべく窓から遠ざかるよう求めている。やむなく木造家屋へしか避難できない場合も、なるべく窓から離れる事がポイントだ。
車に乗っていた場合は車を降りるのが基本だが、高速道路上などは停止後、乗車したまま身を低くするようアドバイスしている。
ミサイルは短い時間で飛んでくるため迅速な行動が求められる。昨年2月7日に北朝鮮の西岸、東倉里(トンチャンリ)から発射されたミサイルは、およそ10分後に発車場所から1600㎞離れた沖縄県先島諸島の上空を通過している。
民防訓練の町
初めてソウルを訪れたのは1988年、ソウルオリンピックの年だ。この時は毎月民間防衛訓練があり、サイレンが鳴ると、街を歩いていた市民もそれぞれに地下鉄や付近のビルなどへ遭遇し、通りには誰もいなくなった。今は訓練も年に3~4回に減っていたと聞くが、今回の北朝鮮との緊張前は、市民の真剣みも失せて、訓練に参加しない市民も増えていたと聞く。緊張状態が続くと、偶発的な衝突に発展する可能性も高くなる。北朝鮮の指導者の行動は読み切れないが、対話で乗り切り衝突の無い歴史を次の世代に伝えたい。