三ツ矢サイダーのCMに批判が殺到し,放送を断念した。炎上してしまったCMはトランペットの練習をしている女性(芳根京子さん)に友人たちがエールを送ろうと彼女の後ろから体をぶつける、というもの。
このシーンに、トランペットプレーヤーなどから、「危険だ。唇を負傷する」
「場合によっては歯が折れてしまう」などの意見がTwitterなどで飛び交った。
炎上にCMはお蔵入り
これらの意見が寄せられたことで、メーカーのアサヒ飲料は「配慮に欠ける表現があった」と謝罪し、CMの提出(放送)を取りやめた。映像を見る限りは、すぐにトランペットを離していて,専門外にとっては、危険な行為かどうか判断できないが、管楽器プレーヤーから見ると確かに危険な行為で、そのような危険性を存分に知っている周囲の人間としては、背後からド突いてしまうような行為は、そもそもありえないのかもしれない。
雑学ライブラリー ムーンライトセレナーデの誕生
そこで思い出したのが映画「グレンミラー物語」でのワンシーン。後にグレンミラー楽団のテーマとなる名曲「ムーンライトセレナーデ」の誕生秘話だ。M・セレナーデの編曲に悩んでいたグレンは、楽団でのリハーサルを続けていたが、その最中、メインのトランペット奏者が、ソロを終えたところで譜面台にトランペットをぶつけ唇を切って出血してしまう。ソリストを失ったグレンはそれをきっかけに、トランペットソロの部分を、複数のトロンボーンでテーマパートを演奏するように編曲し、結果大成功を収める。
楽器をぶつけてケガを負う可能性をグレンミラー物語を思い起こすことで気が付いた。ぜひDVDで映画をご覧いただきたい。