人手不足が深刻になりつつあるコンビニ業界、問題解決の決め手となるセルフレジの拡大を目指して、大手の5チェーンと経産省がタッグを組んだ取り組みが始まる。
瞬時にレジを通してしまうICタグが決め手
お客自らバーコードを読み込ませるセルフレジはスーパーなどで使う機会も増えているが、バーコードが汚れていたり、折れ曲がっていて読み取りに手間取ったりすることも多く、セルフレジを嫌う客も少なくない。経産省とコンビニ業界が新たに取り組むシステムは「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」と名うったもので、商品にはバーコードの代わりに一つ一つICタグを取り付ける。
ICタグはバーコードのように、かざして読み込ませる必要はなく、読み取りレジに置くだけで全ての商品を瞬時に精算するスマートセルフレジと言えそうだ。さらに電子マネーと連動させると、支払いも一瞬で終えることが可能だ。
この宣言とは別に、同様の取り組みは既にローソンの実験店舗で行われている。2月15日付け記事「レジロボ」を参照頂きたい。
セブンイレブン、ファミリーマート、ローソン、ミニストップ、ニューディズの5チェーンと経産省では、2025年までにシステムの構築を終える方針だ。
決め手はICタグの低廉化
ICタグはバーコードに比べ、はるかに情報量が多く、信頼性も高いが、コストが高い。ICタグは読み取りレジから発せられる微弱な電波をキャッチ、それを電源にしてタグに入っているデータを電波で返す。SuicaやPASMOと同じ仕組みだが、タグは1枚10円以上もする。これを1円以下に抑えて、タグを製品出荷の際に包装などに組み込みコストを抑える。大手の印刷メーカーは既にコストダウンの目途はついているとして、2025年の単価1円を目指している。
全ての商品にICタグが付くと、省力化もさることながら、万引き防止にも役立つだろう。