大阪の2025年万国博覧会への立候補が、閣議で了承された。今月24日にはパリのBIE(博覧会国際事務局)に正式立候補の手続きがなされる。2025年の万博はパリも立候補しており、ライバルは強力だ。
3千万の観客と1.9兆円の経済効果を狙う
経産省の報告書によると開催期間は2025年5月3日から11月3日までの185日間で、場所は大阪湾の人工島“夢洲(ゆめしま)”想定入場者数は2800~3000万人、建設費関連や消費支出関連などで、1兆9千億円の経済波及効果が想定されている。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」で、新たなテクノロジーの見本市ではなく、交流や体験が、重要なコンセプトとなっている。会場建設費はおよそ1250億円で、国や大阪府、大阪市、経済界が負担する方向だ。
万国博覧会は5年に一度の開催で(BIEの認定博覧会は5年のルールにはとらわれない)日本では1970年の大阪万博を皮切りに、沖縄海洋博など5回開催されていて、2025年が決まると2005年の愛・地球博(愛知県)に続いて20年ぶりの開催となる。2025年の万国博覧会は、来年11月のBIE総会で、168の加盟国がそれぞれ一票ずつ持つ投票で決まる。
雑学ライブラリー
この技術、万博で花開きました
博覧会の起こりは、エジプトなどで、国王の即位など国の祝賀行事に衣類や芸術品が一般に披露されたことや、ローマでは、戦争で奪い取った戦利品の展示などが起源とされているが、近代的な国際博覧会は1851年のロンドン博覧会に端を発する。
万博生まれの建築物では、1889年のパリ博覧会で作られたエッフェル塔があまりにも有名だが、今では当たり前となった技術やサービスも、元をただすと”万博生まれ”が意外に多い。
1893年のシカゴ万博で登場した観覧車、エッフェル塔に対抗して、より高い塔を作ろうとしたが「もっとインパクトあるものを」と、出来上がったのが観覧車だ。エレベーターは1853年のニューヨーク博で披露されているし、今ではなくてはならないものとなった携帯電話、ワイヤレスフォンが登場したのは1970年の大阪万博だ。