札幌市が立候補を目指している2026年冬のオリンピック・パラリンピックの開催地は、2019年のIOC総会で決定する予定だ。他に手を挙げる都市が少なく、無投票当選の可能性すらあったが、今月に入り札幌市にとっては強力なライバル都市が次々に名乗りを上げている。
スイスそしてトルコが立候補へ
2026年、冬のオリンピック・パラリンピックの開催地立候補は、昨年暮れまで札幌以外表明する都市がなかった。冬の大会は2018年が韓国の平昌、2022年が北京と東アジアが続くため、2026年札幌は難しい、との見方もあった。しかしいくつもの都市が招致合戦にしのぎを削っていた頃と違って、多額の経費を嫌い、名乗りを上げる都市は少ない。2022年もノルウェーのオスロが撤退、北京に決まった事情がある。ところが2026年、ここにきていくつもの都市が名乗りを上げ始めた。スイス南部のシオンは、今月のスイスオリンピック委員会の会合で正式に立候補が決まる見込みだ。もう一か所はトルコ東部のエルズルム市エリアだ。
シオンは2006年イタリアのトリノに敗れており、実現すると1948年のサンモリッツに続きスイスでは二度目の冬の大会となる。トルコはイスタンブールが2020東京に敗れているうえ、実現すると冬の大会の開催は初めてだ。応援票も期待できよう。
このように招致レースは、にわかに厳しさを増して来る勢いだ。札幌市長は2026年と次の2030年を念頭に置きたいとしている。
雑学ライブラリー 4年に一度のオリンピック、2年でやってきた事実!?
“4年に一度やって来るオリンピック”は常識。ところが2年でやってきた五輪があった。かつては夏の五輪と冬の五輪は同じ年の開催だった。1972年は夏の大会がドイツのミュンヘン市、冬の大会が札幌市だった。この縁で両市は姉妹都市の提携を結んでいる。
1992年のオリンピックまでは夏冬同時開催だったが、この年の冬の大会(アルベールビル)を最後に、夏と冬の五輪は、2年毎のテレコ開催が決まった。従ってポスト・アルベールビルは、わずか2年後の1994年にリレハンメル大会がやって来ることとなった。