普通の乗用車も最近の車は、電子機器のアシストなしには動かない。更に一歩進んで、インターネットと接続して目的地や途中の渋滞情報など、車そのものが情報端末化しているコネクテッドカーが増えている。今そのコネクテッドカーがハッカーに狙われている。
カー・ハッキングの実態
コネクテッドカーは、様々な情報を運転しながら得ることが出来るが、裏を返すと容易に外部からの侵入が可能になるといえる。つまりコンピューターがハッカーに乗っ取られるのと同様に、車がハッキング(乗っ取られる)被害が現実となっている。
アメリカでは、車独自のLAN(ローカルエリアネットワーク)を利用して、車のコントロールが奪われる実験が数多く発表されている。YouTubeで「車、ハッキング」で検索すると海外でのカー・ハッキング実験や広島市立大学で行われた実験の映像を見ることが出来る。広島市立大での日本初のカー・ハッキング実験ではスマホの操作で、スピードメーターがひとりでに動いたり、窓を開けるなどの様子が撮影されている。
2015年アメリカのFCAUS(旧クライスラー)のジープ・チェロキーのシステムがハッキング可能だとの指摘を受け、140万台をリコールする事態に追い込まれた。携帯電話ネットワークを介して、エンジンやハンドル操作が可能と示されたのだ。日本でも今後カー・ハッキングのリスクが高まることは間違いない。メーカーなどで作る日本自動車工業会では、各メーカーによるワーキンググループを作って対策にあたる方針だ。