10月1日は都民の日。それ以外に県民の日を定めている県は、20余りもある。これに倣って北海道にも道民の日を定めようと、道議会が動いたが、日付を巡って異論が噴出、すんなりとは決まりそうにない。昨年9月15日の本欄の記事だが、「北海道みんなの日」の名称でようやく決着した。
観光客も「北海道みんなの日」は何か良いことありそうだ
決まった「北海道みんなの日」は7月17日。この日は、当時蝦夷地(えぞち)と呼ばれていた北海道を探査した松浦武四郎が、1869年(明治2年)蝦夷に変わる名称として、北加伊道(ほっかいどう)を明治政府に提案した日だ。
3月31日に公布された北海道みんなの日条例によると「縄文やアイヌ民族、開拓の歴史などを経てきた北海道民が~、より一体となって北海道を築いて行き、対外的にも北海道の価値が広く認識されることを期して制定する」と定めている。道外の人には関心の無い話とはいえ、この日に北海道を訪れているとラッキーなことはありそうだ。道の施設はほとんどが無料となる。観光客に人気の「北海道開拓の村」は、明治から昭和にかけての北海道の歴史ある建物が52棟も並んだ、オープンミュージアムで通常は800円の入村料がかかる。その他、各地の道立博物館や美術館は無料となる見込みだ。
縄文⇒弥生の連鎖がなかった北海道
北海道みんなの日の条例には「縄文文化~」のくだりがあるが、北海道には縄文文化はあったものの、それに続く弥生文化がなかった。
弥生文化のコアとなるのは稲作だが、北海道には稲作が広がらなかった。おそらく寒冷地の北海道では稲が育たなかったのだろう。狩猟が中心の縄文文化が続き、“続縄文時代”と言われている。
温暖化の影響もあるだろうが、育たなかった稲が、今では品種の改良で寒冷気候にも強い耐性を持ち、北海道米は美味しい米の代名詞となっている。
※北海道歴史・文化ポータルサイト AKARENGAが詳しい