ネット通販の拡大で、宅配便ドライバーの労働荷重が問題になる中、環境省は無駄な再配達を少しでも防止しようとキャンペーンを始めた。
地球温暖化と宅配便の関係とは
環境省は“COOL CHOICE”と名乗って地球温暖化対策のため、誰でもが参加できる省エネ努力推進のキャンペーンを行っている。国土交通省が実施したアンケートによると宅配便の再配達率は20%にも達していて、それによる環境ロスは、山手線内側の2.5倍に当たる面積のスギが吸収する二酸化炭素CO2に匹敵する。労働力も同じく、ドライバーが不足する中、年間9万人の労働力が再配達に費やされている。
環境省では「COOL CHOICE 出来るだけ一回で受け取りませんか~みんなで宅配便再配達防止に取り組むプロジェクト~」を立ち上げ今後、業界や消費者に協力を呼び掛ける方針だ。
再配達に追加料金やポイント制
再配達を減らすための動きは既に出てきている。西友のネットスーパーは、利用者側の都合で配達指定時間に受け渡しが出来なかった場合400円(税別)の再配達料を上乗せする。他のネット通販も追随するところが出てきそうだ。またミサワホームでは玄関に宅配ボックスを組み込んだ新築住宅を提案している。
国土交通省のアンケートでは再配達となったケースのおよそ70%が配達時間を指定していなかった。アンケートで上がった防止策は、住まいや職場近くのコンビニでの受け取りや100円程度のポイント制をシステム化するアイディアが出されている。