ロックンロール・ミュージック創始者の一人、チャールズ・エドワード・アンダーソン・ベリー、通称チャック・ベリーが18日、ミズリー州の自宅で亡くなった。90歳だった。ローリング・ストーン誌で「歴史上もっとも偉大な100のアーティスト」で5位に選ばれているチャック・ベリーは、印象的なフレーズをリフレインするギターリフとギターを弾きながら腰を屈めてステージを歩き回るダックウォークが有名だった。
ビートルズやローリングストーンズなどに大きな影響を与え、どちらもチャックの曲をカバーしている。80歳を超えてもステージに立っていた、タフな1926年生まれだった。チャックを知らない人も彼が作り大ヒットさせた“ジョニー・B・グッド”や“ロールオーバー・ベートーベン”を聞くと思い当たるだろう。
ジョニー・B・グッドのタイムパラドックス
大ヒット映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(1985年公開)に“ジョニー・B・グッド“が登場する。主人公のマーティー(マイケル・J・フォックス)が1955年にタイムスリップ、高校のダンスパーティーで“ジョニー・B・グッド”を弾くシーンが出てくる。このころチャック・ベリーはデビューしたばかりで、名曲“ジョニー・B・グッド”はまだ世の中に存在していなかった。
マーティーがのりのりで演奏すると、バンドマンの一人が誰かに電話をかける。「おいチャック、いとこのマービン・ベリーだよ。チャックあんたの探していたサウンドだ。聴いてくれ」と受話器を向けてマーティーの演奏を聞かせる。そして3年後の1958年にチャック・ベリーは“ジョニー・B・グッド”を全米で大ヒットさせる。なんとも傑作なストーリーだ。しかしこれこそ”ジョニー・B・グッド“を巡ってのタイムパラドックス。ニワトリとタマゴ同様だ。天国でチャックはどう思っているのだろう。
バック・トゥ・ザ・フューチャー YouTubeを参照ください