世界に衝撃を与えた金正男氏の暗殺事件、クアラルンプールの空港で凶行にあった金氏は航空会社のチェックイン機の前で襲われた。チェックイン機の画面に映るエアラインのロゴは、LCCの“エアアジア”だった。
存在感増すLCC
正男氏がチェックインしようとしていたのはエアアジアAK8320便、マカオ行きだったのか。クアラルンプール~マカオ間は、飛行時間3時間50分ほどで、時刻表では大型のエアバス330が飛んでいる。LCCだけに運賃は片道7000円~13000円と格安だ。
テレビのワイドショーでは「金正男氏もLCCを使って倹約しているのか?」とのコメントもあったが、そうではなくて、クアラルンプールとマカオ間を飛んでいるのはエアアジア一社だけなのだ。LCC以外の大手エアラインを使おうとすると余計な遠回りをしなければならず、人前に出るリスクも高くなる。それに正男氏は、大手エアラインを使う事に価値を見出すタイプではなさそうで、ためらうことなくエアアジアを選んだのだろう。
東南アジアではLCCが急速にネットワークを広げていて、シェアは25%を超えている。しかもクアラルンプール~マカオのようにLCCしか飛んでいない路線もあって存在感が増している。
特にエアアジアは、世界でもトップクラスのLCCで、日本の各空港(成田、羽田、関西、新千歳)にも乗り入れているが、正男氏が乗ろうとしたエアアジアとブランドは同じだが運航会社が異なる。