先月30日から初乗り運賃が730円(2㎞)から410円(1052m)へと値下がりした東京23区、武蔵野市、三鷹市のタクシー、乗客は増えているのだろうか?
ちょい乗り効果は
海外のタクシーに比べ高いと言われる日本のタクシー、実はそれほど差は無いようだが、初乗りの距離が2㎞と他の国のタクシーより長く、その分初乗り運賃が高かった。今回の値下げで、ちょい乗り客やインバウンド客など、思惑通りの新規需要を開拓できるのか?
例えば虎ノ門~新橋、3人で乗ると一人当たり130円余りで済む。渋滞がなければ地下鉄を使うよりはるかに安い。410円が浸透して行くと、これまで移動手段の選択肢にはなかったタクシーが思い浮かぶケースは多くなるだろう。
インバウンドもしかり。道案内代わりのちょい乗りなども開拓できれば需要は増えそうだ。運賃を示すシールも、これまでは“2キロ”と表示されていたが、
First(初乗り)1052mと外国人にも分かる標記にようやく改定された。
雑学ライブラリー
他地域のタクシー、値下げはどうなる
タクシーはピークの平成元年には全国で33億人を運んでいたが、平成26年度にはその半分の15億57百万人にまで減ってしまった。(ハイヤータクシー協会調べ)営業収入もそれに準じて減少、ピーク時より数千億円も下がっている。それを補ってきたのが値上げで、首都圏のような基本となる需要が見えない地方では、値下げは難しいとの見方が多い。この一年ほどでも岐阜や岡山、愛媛などで値上げや距離の短縮が行なわれている。しかしインバウンド客の浸透は全国各地へと広がっており、値下げに準じるサービスの充実など、何らかの工夫が求められそうだ。