あなたの県の地盤は安心ですか?全国各地で地震があったり、福岡では大規模な陥没があったり、住んでいる町の地盤が気になるケースが増えている。
安心地盤が誰にでもわかる
これは地盤や災害に関する研究開発や調査を専門とする地盤ネット総合研究所株式会社(本社:東京千代田区)が発表したものだ。ビッグデータを活用したもので、同社が持っている「地盤安心スコア」1億6032万3397地点から建物用地に該当する1094万2902地点を抽出し、都道府県単位で「地盤安心スコア」の平均点からランキングしたものだ。
安心地盤のトップとなったのは沖縄県。サンゴ礁が固まった、琉球石灰岩と呼ばれる岩の台地と丘陵地帯が広く分布している。低い土地の沿岸大都市に比べ良い地盤のエリアが多く、82.754点と高いスコアとなった。2位は本州で最高スコア78.998点となった群馬県で、関東周辺山地の火山がもたらした火山灰が平たんな台地を形成しているエリアが多く安心な地盤が広がっているとしている。このほか福島県、栃木県、熊本県と続き、全国平均は70.3で、47位は四国の高知県だ。ただしこのスコアは、災害の起きやすさを示すものではなく、あくまで地盤の安心度をランキングしたものだ。詳しくは地盤ネット総研のHPで。
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沈む空港を支える
海上を埋め立てての空港は、国土の狭い日本では珍しくなくなってきているが、中でも最大は関西国際空港だ。大阪湾の泉州沖にすべてを埋め立てで作り上げた。海底の一番上の沖積粘土層とその下の洪積粘土層の上に島が載っているので、これらの層が徐々に沈んでゆく。関西エアポート株式会社によると沖積粘土層の沈下は終わって、現在は洪積粘土層が沈んでいる。
空港は一期島と二期島に分かれているが、開港当初からの一期島は17地点で沈下の情況を計測していて、1994年の開港から2015年12月まで平均沈下量は3.3m、埋め立て当初からの沈下量を加えた全沈下量は13.12mにもなる。現在も年間数センチで沈下しているが、どのように収束してゆくのか関西エアポートでは注視している。地盤を作り出すのは大変な事業だ。