北海道十勝の陸別町(りくべつちょう)が,「日本一寒い町はここだ」と、過去10年間の観測データをもとに日本気象学会の機関誌で発表した。
今シーズンの最低気温は昨年12月25日の-26.2℃!
陸別町は松山千春のふるさと足寄町の隣で、人口2500人余りの小さな町だ。北海道ではいくつかの観測地点の中で、寒さで登場する代表的な地名がいくつかある。トマムリゾートがある占冠(しむかっぷ)村、旭川市郊外の江丹別(えたんべつ)、阿寒湖畔の川湯などだが、寒さのニュースで出てくる地名は、陸別がトップだ。
根拠となったデータは、1月、2月の厳冬期における5つの指標。寒さランキングの一位となった回数は年平均12.9回で、二位の占冠(5.2回)を大きく引き離す。平均日最低気温も-18.9℃で、二位糠内(ぬかない)の-17.2℃を上回る。このほか寒さランキングポイントでの順位と一日の平均気温の低さ(-10.2℃)の4つのランクで寒さが際立った。年平均最低気温の順位だけが-28.2℃と9位で、ジャンプ葛西紀明選手の故郷、下川町の-29.7℃に一位を譲った。しかしどちらの気温も、顔が痛くなるほどの厳しい寒さであることには間違いない。
陸別町ではこの寒さを資源として、「しばれフェスティバル」(毎年2月の最初の土日)などのイベントを実施、観光客を呼んでいる。フェスティバルでは
バルーンマンションと呼ばれる“かまくら”で、一晩を過ごす人間耐寒テストなどの荒行もあって、全国から参加者が訪れる。
雑学ライブラリー
暑い町はどこだ?
寒い町が見つかると暑い町を探してみたくなる。温暖化によるものか、日本でも最高気温が40℃を超えることも珍しくなくなった。気象庁のデータでは、これまでの最高気温は2013年8月の高知四万十市の41.0℃だ。しかし気温が35℃以上の猛暑日の日数で見ると、大分県日田市の38日(2016年)がトップだ。
実は陸別町も盆地なので、冷気も溜まるが、フェーン現象で暑さもやって来る。昨年の最高気温は31.8℃。年間気温差60℃だ。