ANAと旅行大手のHISは、名古屋に本社を置く宇宙開発ベンチャー企業のPDエアロスペースに出資し、3社で宇宙旅行開発を目指す。
ロケット、ジェットどちらも使えるハイブリットシャトル
ANAとHIS両社の出資は合わせて5千万円余り。3社が計画するのは、90分間の宇宙旅行で2023年12月の実現を目指している。
PDエアロスペースはジェットエンジンとロケットエンジンの両方を切り替えて使える次世代型のスペースシャトルを開発している。ジェットエンジンを使って滑走路を飛行機のように離陸、途中からロケットに切り替えて加速し高度100㎞ほどの達した後、地球の引力で降下、大気圏へ再突入し、再びジェットエンジンを使って滑走路へと降りる。現在のロケットのように使い捨てではなく、再利用が可能だ。90分間の飛行中5分ほどの無重力状態を体験できる。
ANAは運航などのオペレーションノウハウを活かし、HISは宇宙旅行や物資輸送の販売面をサポートする。PDエアロスペースは、宇宙旅行はもちろん無重力を活かしての化学実験、新薬の開発などの他、ISS(国際宇宙ステーション)への物資輸送にも貢献できるとしている。
雑学ライブラリー
宇宙シャトル
ブリュッセルやメキシコシティー、ヒューストンなど急速に路線網を拡大しているANAがついに宇宙もターゲットに入れた。1968年に公開された名画「2001年宇宙の旅」には宇宙ステーションと地中を結ぶ宇宙シャトルが登場、その翼には当時アメリカを代表するエアライン、PANAMのマークが入っていた。
エアラインと宇宙旅行は、イギリスのヴァージンアトランティック航空が、グループ会社として設立したヴァージンギャラクティックがある。こちらも同様に滑走路から母船となる航空機の力を借りて離陸、空中でロケットに点火してやはり高度100㎞を目指す。こちらは既に機体、スペースシップ2が一部のテストに入っているが、ヴァージンとANAどちらのマークが先に宇宙へたどり着くのか。