札幌・新千歳空港が今シーズン初の大規模ダウン。10日、11日と雪の影響で国際線、国内線合わせて450便近くが欠航、特に11日は札幌も激しい降雪でJRも運休が相次ぎ、両日合わせておよそ2500人が空港ターミナルで夜を明かした。
重い雪には弱い飛行機
札幌は雪まつりで知られているが、人口200万人近い大都市で、ひとシーズンに6m近い雪が降る町は世界中でここだけ。一方、新千歳空港は札幌から40㎞以上南へ離れているので、日本海側と太平洋側両方の気象特性を持っていて、冬は日本海側から入って来る雪雲で降雪に見舞われることがある。年間の平均降雪量は201㎝と札幌の半分以下だ。真冬には水分の少ないサラサラのパウダースノーが中心で、除雪しやすく、よほどの強い降雪でない限りは飛行機の離発着には大きく影響しない。
11日の雪はこれと逆の水分を含んだ雪で、除雪隊にも飛行機にもよろしくない。サラサラ雪なら滑走中に剥がれ落ちるが、雪団子を作りやすいようなべた雪は機体に張り付いてしまう。これが原因で離陸直後に墜落したケースもある。機体には防氷剤を吹きかけるが、駐機場を出て、滑走路に行くまでの間に防氷剤の効果持続時間を超えてしまったり、予想以上に機体に重い雪が積もり、やむなく再び駐機場へ戻る飛行機も相次いだ。
雑学ライブラリー
ホワイト・インパルス
札幌の上を行く豪雪都市は青森だ。年間積雪量は7mを超える。青森空港はもっとガチで、特に雪の多かった2011年度シーズンはなんと11m.を超えた。それでもそのシーズンの欠航はわずかに26便、豪雪空港の安全運航を除雪部隊ホワイトインパルスが支えている。
新千歳に比べると雪質は重いらしいが、W・Iは55万㎡の空港を40分で除雪する。ネーミングもさることながら、傑作なのはその活躍を動画にしてYouTubeで公開していること、さらにツアーを組んで生で公開した事だ。飛行機の安全を脅かす困りものの雪をエンターテインメントにしてしまう根性はすごい。しかも青森空港では、ホワイトインパルスのキャンディーやカレーもあるとか。