2人の大統領(1人はまだ次期大統領だが)が世界の注目を浴びている。
言わずと知れたドナルド・トランプ次期アメリカ大統領と韓国の朴槿恵(パククネ)大統領だ。朴大統領は、国の機密に関わる情報を民間人である友人に見せ、相談するなどしていて、近く検察当局の事情聴取を受けることが決まっている。最も法を守らなければならない人物が捜査機関の聴取を受ける事態に、国民の怒りは収まらない。一方のトランプ氏も、これまでの過激な発言が、人種間のいざこざを生んでおり、融和を呼び掛けているが、こちらも次期大統領が国民に追い詰められることになりそうだ。
2人のリーダーが取った行動、そしてこれからとる行動で、その国はもちろん世界の秩序に影響が出る。朴大統領とは日韓関係、特に慰安婦を巡る戦後処理の合意事項がリセットされる可能性もある。トランプ大統領とは、TPPや地球温暖化を話し合う締約国会議COP22がリセットされる可能性がある。追い詰められるのは2人の大統領ではなく、2人に追い詰められる世界市民かもしれない。
雑学ライブラリー
大統領と首相はどう違う、象徴大統領も
アメリカは大統領、日本は首相、韓国は大統領と首相両方がいる。大統領は共和制国家の元首で、権限は国によって様々、国民からの直接選挙(アメリカは候補者を押す選挙人を選ぶ変則的な直接選挙)で選ばれる。一方首相は基本、行政の長で、国民の直接選挙ではなく、議員の中から選ばれる。ご存知の通り、最大与党の党首が首相となる。ドイツも大統領と首相がいるが、ドイツの大統領はシンボルであり、国民の直接選挙ではなく議会で選出され、権限はほとんど持たない。