北海道の帯広動物園で飼育されていたアムールトラのカフカが16日死んだ。繁殖を期待されて先月、釧路動物園から移ったばかりだった。
ネコ科で最大のアムールトラ
カフカは静岡県の富士自然動物公園で、2008年(平成20年)10月21日生まれ、あと5日で9歳だった。あくまでネコのスケールから置き換えたライフステージでは、カフカは壮年期だったが、メスのマオ(6歳)との間にベビーが生まれるのを期待されていた。
アムールトラは、その名の通り、ロシア沿海州やハバロフスク地方のアムール川流域に生息するトラで、シベリア・タイガーの名でも知られる。体重は300~350㎏にもなるが、カフカはおよそ140㎏だった。
アムールトラは一時乱獲で40頭ほどにまで激減した。国際自然保護連合のレッドリスト入りして、現在は500頭ほどになっているが、森林伐採が進んでいることから生息域が脅かされ、依然として絶滅危惧種だ。日本では現在24の動物園でアムールトラが飼育されていて、繁殖にも力を入れている。
ネコの寿命が延びる!?
カフカの死因は腎不全の模様。ネコは腎臓機能の障害で死亡するケースが多い。
東京大学の研究グループが、ネコの腎不全を解明、治療する手立てを発見しこのほど「Scientific Report」で発表した。
それによると人やマウスには備わっている、急性腎不全を治癒させる血液中のタンパク質の機能が、ネコには備わっていないため、尿管をきれいにすることが出来ず腎臓障害を発症すると解明された。研究グループは、急性腎不全を起こしたネコに、マウス型のタンパク質機能を注射、腎不全の症状から回復することに成功した。ネコの死亡率は五分の一に低下したという。
ネコの平均寿命は15.75歳(日本ペットフード協会調べ)だが、腎臓機能低下を克服することでさらに伸びるだろう。しかし長寿ネコには人間と同じく痴ほうを起こすネコもある。