欧米では普通に出回っている乳児用の液体ミルクが、ようやく日本でも解禁となりそうだ。
乳児用液体ミルク解禁本格検討へ
日本では粉末ミルクしか出回っていないが、欧米では封を切ってそのまま赤ちゃんに与えることが出来る、液体の乳児用ミルクが主流となりつつある。この液体ミルクが日本でも注目を浴びたのは、阪神淡路や東日本大震災で、粉末ミルクを溶く水やお湯の調達が難しく、ミルクの準備に大変な苦労があったためだ。熊本地震では海外から乳児用液体ミルクが届けられ、重宝された。
厚生労働省や消費者庁は「液体ミルクを製造することは可能だが、規格基準がないため、あくまで乳製品として扱われる」として液体は、事実上乳児用のミルクとしては販売できないとしていた。しかし簡単であると同時に、衛生的にも優れていて、常温である程度の長期保存が可能などのメリットもあることから解禁を望む声が高まり、国の規制改革ホットラインでも検討要請項目に取り上げられた。
問題は製造や輸送などのコストがかさむことで、価格が粉ミルクより割高となる点だが、欧米などでは国の補助で低価格に抑えられているケースもある。
なお日本でも個人輸入やAmazonなどを通して、海外製品の購入はもちろん可能だ。
クローズアップ雑学
ベビーとツアー 飛行機は要注意
赤ちゃん連れで旅行へ出かける光景はよく見られるようになったが、飛行機の機内でCAの助けを借りてのミルクづくりも液体ミルクが解禁されると不要になりそうだ。
JAL,ANAとも生後8日までの新生児は搭乗を認めていないが、以前小児科の医師から「生後半年くらいまでは飛行機での長距離旅行は控えた方がよい」との意見を聞いた。
飛行機も性能が上がり、機内の気圧調整もスムーズに行われるが、それでも
1万mを飛んでいるときは、2000m前後の山の頂上にいるのと同じ気圧だ。着陸時には機内の気圧が徐々に高くなって、地上の気圧へと変化して行く。鼓膜や耳管が押されていくので大人でも耳が痛くなることもある。離着陸時に赤ちゃんが泣いているケースは、おそらく耳を痛がっていると思われる。あくびをすると一発で抜けるのだが、赤ちゃんはそんな器用な真似は出来ない。お医者さんによると、巡航中にミルクなどを飲ませて耳を抜いてあげるのが良いようだ。