12日東京の千代田区や港区、新宿区などの都心部から、豊島区、杉並区など住宅地域まで、延べにして最大58万戸で一斉に電気が途絶えた・。
電気が消えると本当に心細い
停電が起きたのは12日の午後3時半ごろで、原因は埼玉県新座市の東京電力の変電所などを結ぶ地下のケーブルが焼けたためだ。現場では、地下から真っ黒い煙が噴き出し騒然となった。広範囲の停電はおよそ一時間後の午後4時25分までには復旧したが、一時は交差点の信号機が消えたほか、都営地下鉄大江戸線や西武鉄道も運行できなくなった。まだ明るいうちに復旧できたのは幸いで、暗い時間での突然の停電だったら様々な被害が広がっていただろう。
ケーブルの火災は9時間近くも燃え続け、13日の午前0時21分にようやく鎮火が確認された。しかしこれだけ規模の大きな事故でありながら、送電の代替ルートがあって、およそ一時間で復旧できるところにも実は感心した。20年以上前にロシアに駐在していた際、インフラ整備の遅れから停電は日常で、苦労をした経験があるからだ。水が停まったり暖房が切れたりも大変だが、電気があるのが当たり前の社会に生きる者には、電気が途絶えることのダメージは大きかった。当時のロシアの停電も計画停電で、コツがつかめてくると何時になると電気が消えるのが分かって、心の準備も出来るようになった。窓から見ていると巨大なアパート群の窓から、一斉に灯りが消えるさまは見ものでもあった。
クローズアップ雑学
停電に備えて
今は電気が停まるとあらゆるものが止まる。昔の家電話は停電でも通じたが、今はFAXと兼用だったり、コードレスだったりで、電気が無くなると通じない。携帯は通じるので、電気が停まっていても充電が可能なようバッテリー式の充電器が必要となる。怖いのはコンピューター。一所懸命苦労してきた作業が、いきなり飛んでしまうこともあるので、UPS(無停電電源装置)やバックアップバッテリー付きのPCが安心だ。