今月16日発売された1iPhone7の背面に「総務省指定」の刻印が入っていることで、ネット上には様々な意見が飛び交っている。「ダサい」と違和感を唱える声が多いようだが、「漢字の刻印は新鮮」など、日本発売のiPhoneならではの文字が入ったことを肯定する声もある。
法律が入れた刻印
ひも解くと、これまでiPhoneは、Suicaのように端末にかざして支払いを済ます機能を持たなかったが、今回発売のiPhone7で、Suicaなどと同じICチップ(フェリカ)を初めて搭載した。このICチップから代金や運賃を引き落とす際に相手の端末、例えば改札機などと瞬時に電波で情報をやり取りする。この電波を発信する装置には、一台一台それぞれに電波の監督官庁である総務省の指定が必要だ。それを表したのが背面の「総務省指定」の文字なのだ。仕組みはおサイフケータイと同じなのだが、なぜiPhone7には入って、他のアンドロイド端末にはないのかというと、iPhone7の方がやり取りする電波の出力が高いからのようだ。
「ダサい」との指摘に高市大臣は、刻印ではなくスマホの画面で表示できる制度を検討中だ。と答えると、記者から「よりかっこ悪い」と言われるのではないかと突っ込まれ、そういわれると大変がっかりだ。と返答している。
種を明かすと、刻印は、お役所の杓子定規な判断で入ったものだった。
クローズアップ雑学
FeliCaは世界を変えるか
FeliCa(フェリカ)は、ソニーが開発した非接触型ICシステム。様々なICカードの心臓部となっていて、SuicaやPasmoなど国内のほとんどの交通系カードやEdy、nanako、WAONなど電子マネー、それに社員証や学生証などのカードシステムにも使われている。それが携帯とドッキングしたのがDoCoMoのおサイフケータイだ。
FeliCaは交通系カードとしては香港のオクトパスカードへの採用が初めてで、その後シンガポールのeZlinkカードにも採用されている。
アメリカ、ヨーロッパではフィリップス系のMIFARE(マイフェア)システムが主流で、アジアでは北京やソウルの交通システムがMIFAREを採用している。MIFARE搭載のiPhoneは既にあるが、今回日本のiPone7がFeliCaを採用したことでICシステムの構図に変化が出るかもしれない。