秋田県を中心にクマに襲われ、命を落とす事件が相次いでいる。クマはもともとドングリやタケノコなど植物が主食で、北海道のヒグマと違い、本州のツキノワグマは特に人を襲うことは稀と聞き覚えていたので、秋田県だけで4人もの犠牲者が出たことに驚く。秋田県では今月8日までに209件のクマの目撃情報が寄せられているが、これはこの5年間で最も多い数字だ。また岐阜県や鳥取県でも、人への被害や人里での目撃情報が相次いだ。多発するクマの被害に、専門家などは、昨年クマの好物の木の実が豊作で、個体数が増えているからではないかと見ている。
ZATSUGAKU POINT
開拓当時の北海道では大きなクマ被害も
ツキノワグマ(50~130㎏)の倍以上もあるヒグマ(150~500㎏)による被害は一層大きく、1915年に日本海側の苫前町(とままえちょう)で起きた三毛別事件では、冬眠をしそこなったヒグマが開拓民の住居を襲い7人が殺害されている。
また1878年には、今の札幌市東区丘珠(おかだま)で、開拓民の一家が襲われ3人が亡くなっている。この時のクマは、今も北海道大学付属植物園の博物館に、剥製として保存されている。
意外なことにクマはガソリンやオイル、それに防腐剤として木材などに塗られるクレオソートなどのにおいが好きで、引き寄せられる。