東京から茅ヶ崎の距離に匹敵する全長57.1㎞の世界最長のトンネルが開通した。これはアルプスを南北に貫く鉄道専用のゴッタルドトンネルで、青函トンネル(53.9㎞)が持っていた世界で最も長いトンネルの記録を塗り替えた。
ゴッタルド峠は、これまで曲がりくねった線路を、標高1100mまで登った所にあるトンネルをくぐっていた。新しいゴッタルドトンネルは、単線のトンネル2本が並列されていて、上下列車のすれ違いもないため、高速で通過することが出来る。トンネルの開通でスイスのチューリッヒからイタリアのミラノまでの所要時間がこれまでより50分短縮され2時間台になるという。トンネルを使った本格的営業運転は12月に始まる。
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青函は海底トンネルとしては世界最長
1988年に開通した青函トンネルは、2016年3月の北海道新幹線の営業開始で、開通後28年を経てようやく本来の役割を果たし始めた。海底トンネルとしてはドーバー海峡をくぐる英仏海峡トンネルが全長50.5㎞で、青函トンネルに3㎞あまり及ばないが、海底部だけに限ると青函トンネルの23.3㎞に対し、英仏海峡トンネルは37.9㎞と青函を凌ぐ。
海底トンネルは、イスタンブールのボスポラス海峡をくぐりアジアとヨーロッパを結ぶマルマライトンネルやまだ実現していないが、アフリカとヨーロッパを結ぶジブラルタル海峡トンネルなどがあるが、青函や英仏海峡を越える長さのものはまだない。