病院、特に大規模な総合病院の待合室は常に患者であふれかえっている。長時間待たされて診療を終えても、さらに支払いが大変で、早く自宅に帰って病んだ体を休めたいと思っても、会計窓口の混雑がなかなかそれを許さない。特に月曜日など休日明けは混雑に拍車がかかっていて、どっと疲れてしまう。
診療が終わったら、支払いをせずに、さっさと帰ることが出来るサービスが始まった。ソフトバンクが3月から始めた「スマート病院会計」だ。病院での会計と携帯電話の支払いをドッキングさせたもので、診療代は携帯電話料金と一緒に引き落とされる。利用料として1回につき100円が加算されるが、窓口での支払いは発生しないのでいち早く帰宅できる。また出先でのケガや体調不良の際、キャッシュレスで受診できるのもメリットだ。このサービスは事前の登録が必要で、今のところ首都圏を中心に約50の病院で受けることが出来る。
ZATSUGAKU POINT
色々な所に「スマート」
スマホの拡大を機に「スマート」という単語が身近になった。スマート・キー、スマート・ウォッチ、スマート・メーター。スマートが付くと何らかの通信機能を持ったアイテムと理解できる。この中でスマート・メーターはあまりなじみがないかもしれないが、各戸の電力メーターが徐々にこれに替わりつつある。通信機能はもちろん、30分ごとに電気の使用状態をモニターして、省エネ管理にも役立つ。(各電力会社のホームページより)
オーストリアの作家、マルク・エルスベルグの小説「ブラックアウト」はこのスマート・メーターがテロの対象となりヨーロッパ中で、ブラックアウト(大停電)が発生するというリアリティ小説だ。家中の家電や交通機関、ウェアラブル端末がスマート(ネットワーク)状態になりつつある今、「小説の中の出来事」とは言えない事態もあり得るのかもしれない。