ニューハンプシャー州は、独立戦争を戦った東部13州の一つだけに、アメリカでも歴史ある州だ。イギリスなどから入植した先人は、新たに作った町に、生まれ故郷と同じ名前を付けた。そのためマンチェスターやロドンデリーなど、イギリスやアイルランドと同じ名前の町があちらこちらにある。港町のポーツマスも同じで、イギリスとアメリカに存在する。このニューハンプシャー州のポーツマスは日露戦争後の1905年(明治38年)に日露の講和条約、いわゆるポーツマス条約が結ばれた土地だ。
外国からの観光客で、冬の間も賑わう小樽、しかし人気スポットの運河周辺と違い、訪れる人も少なくひっそりとしている歴史博物館がある。旧日本郵船小樽支店の建物だ。この建物ではポーツマス条約を受けて、1906年(明治39年)にサハリン(当時の樺太)の北緯50度線に国境を決める日露の会議が行われている。