タイタニック
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タイタニック ジェームズ・キャメロン監督 DVD
氷山と衝突し、およそ1500人(犠牲者の数は諸説ある)が命を落としたタイタニックの悲劇に関する映像は幾度となく制作されているが、取り上げたのは1997年に公開されたレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットが主演した作品。
タイタニックの事故に、フィクションのラブストーリーがマッチし、映像の見事さと合わさって引き込まれる。婚約者や母親と伴に1等に乗る上流階級の娘ローズと、3等船客の貧しいアメリカ人の若者ジャックが出会い、互いにひかれあうが、最後は事故で悲劇的な別れを遂げる。
映画ではこの時代の階級格差が表されていて1等と3等は、互いのデッキも行き来できない。イギリスのホームページENCYCLOPEDIA TITNICAによるとリストで分かっているのは1等には324名、2等が285名、3等には708名が乗っている。1等の船賃は850ポンド以上、それに対して3等は6ポンドほどなので140倍以上の開きがある。今の貨幣価値に換算すると1等は軽く500万円以上になりそうだ。
映画でも上階に逃げようとする3等船客をバリケードの扉が阻むシーンが何度か出てくる。運賃格差が安全格差にもつながっていたと見え、1等船客に比べ3等船客の犠牲者ははるかに多い。
タイタニックは世界で初めて国際救助信号のSOSを発信した船とされるケースもあるが、実際にはこれより前にSOS信号を発信した船がある。この映画の中でも船長が通信士にそれまでの救助信号であるCQD発信を命令する場面がある。タイタニックはSOSとCQD、両方の救難信号を発信している。
アカデミー賞に輝いた映画は何度見ても新たな発見がある、飽きない作品だ。
現場臨場
サウザンプトン
航空編、「飛行艇クリッパーの客」でも現場として登場しているが、タイタニックは1912年4月12日、サウザンプトンのオーシャンドックから最後の処女航海に出ている。実際にはフランスのシェルブールとアイルランドのコーブに立ち寄っているので最後の寄港地はコーブになる。
サウザンプトンの「SEA CITY MUSEUM」にはタイタニックの25分の1スケールモデルと、氷山に衝突し、近くにいたカルパチア号が救助に当たるまでが解説されている。